金と健康と統計と

主にトレードの事について

④テクニカル分析の自己成就

投資初心者用の本やサイトに当たり前のように書いてあるテクニカル分析Twitterを見れば知らずにトレードしてる人もいる一方で、テクニカル分析専門の人が「黄金比が〜でGann Squareの3rdアークが〜だからここは注目する場面。更に逆三尊と一目雲のねじれが〜。…」なんて小難しそうでどっちつかずなことを発言している。

果たしてテクニカル分析とは本当に意味があるのか。

 

結論から言うと私はテクニカル分析分析自体には全く意味がないと考えている。統計的に示された優位性もなく、論理的な根拠もなく、ただただ昔の経験則として広まっているだけ。

しかし、私も時たまテクニカル分析を使うことがある。何故か。他のプレーヤーが多く使っているからだ。投資のどの教科書にも二つの移動平均線ゴールデンクロスしたら買いのサインだ、と書いてある(私は次元の違うもの二つを同じ軸で比較すること自体がナンセンスだと考えているのだが、これが買いの根拠だと論理的に説明できる人がいたら教えてほしい)。相場に参加している9割のプレーヤーはこれくらいは知っていると思う。

ゴールデンクロス自体に価格上昇の力はなくても、多くの人がゴールデンクロスしたら買いの成行注文などをすることによって価格は上昇する。これが予言の自己成就である。これはあくまで例として説明しただけで、騙しなどがあるためゴールデンクロスで買うだけで勝てる訳はないのだが(実は騙しにも優位性がある。これは後日説明することにする)。

 

有名で多くの人が使えば使うほどそれは自己成就する。別にテクニカル分析に限った話ではない。ジプリの呪いと言われるアノマリーも予言の自己成就ではないだろうか。

例えば株式市場では25日移動平均線がよく使われている。みんなが25日の移動平均を使っているのに、聖杯を探そうと22日や29日にパラメータを変更してみると逆に聖杯から遠ざかることになると思う。みんなが25日の移動平均を使っているのなら、自分も25日移動平均をチャートに表示させて、多くの人が意識するポイントを把握すれば良いのだ。

その意識される価格帯には通常の価格帯より多くの指値注文や損切りの逆指値注文が溜まっていることだろう。これを分析に活かすべきである。

 

これまでテクニカル分析を酷評してきたが、ファンダメンタル分析なんてもっと意味がないと考えている。結局価格を決めるのはファンダメンタル分析テクニカル分析ではなく、ファンダメンタル分析テクニカル分析に動かされた人間だ。これらの分析は二次的なものであって、板や歩み値、オープンオーダーやオープンポジションなどの一次的な情報を考慮しないといけない。